虫も殺さない

人間、どうせなら優しい方が良い

声をかけるか、かけないか

都営地下鉄大江戸線中井駅で知人と待ち合わせをしていた時のこと。

30分ほど早く着いてしまいましたが、23時過ぎで喫茶店なども閉まっていたため、周辺を散歩することにしました。

(1人で居酒屋に入る勇気はありません。憧れています。)

 

中井駅近くの川沿いの小さな道を歩いていると、向かいから杖を持った女性が歩いてくるのが見えました。

杖といっても体重を預けるためのものではなく、目の不自由な方が障害物の確認などに使用するものです。(白杖というようですね。)

 

女性は酔っているのか独り言を呟きながらフラフラと歩き、また、全盲というわけではないようで、時折、じっと周りの様子を確認していました。

私は声をかけることができず、そのまますれ違いました。

 

待ち合わせの時間が近づき、中井駅に戻っていると、先ほどの杖を持った女性が大学生くらいの男性と並んで歩いていました。

どうやら西武新宿線中井駅に向かっているようで、男性は肩や肘に捕まらせてはいませんでしたが、女性に合わせてゆっくりゆっくりと歩き、段差や障害物を教えながら、楽しそうに談笑していました。

 

私は知人と合流し、散歩中に見つけた近道や行ってみたいお店のことを話しましたが、杖を持った女性と大学生くらいの男性の話をしませんでした。

 

 私は女性に声をかけるのが怖かったのです。

もっと正確にいえば、声をかけて拒絶されること、あるいは、酔った女性と話が通じず面倒なことになるのが怖かった。

しかし実際には、女性は楽しそうに雑談をし、行き先を明確に伝えていました。

 

男性には、私が感じた恐れはなかったのでしょうか。それとも恐れを感じてなお、声をかけたのでしょうか。

いずれにしても、彼の行動が立派であり、このブログの主題である「優しさ」に満ちていることは間違いありません。

 

皆さんはどうでしょう。彼のように困っている人に声をかけることができますか。

私は、あと何度このような記事を書けば、彼のような人間になれるのでしょうか。