虫も殺さない

人間、どうせなら優しい方が良い

色々な角度から見るという事

連日の猛暑と新型コロナの流行に閉じ込められ、仕方なく冷房の効いた自宅で読書をしていると、

「あぁ、これはとても大切なことだな。気をつけなければいけないな。」と感じるセリフがありました。

小説のネタバレを避けるため人物と状況は伏せますが、以下のセリフです。

 

「そのただ一点を除けばそんなに悪い奴らでもなくて、お前も俺も、誰かの一番醜い部分を指差して、人でなしだ、許せないって叫んでるんじゃないのか。」

(「屍人荘の殺人 」今村昌弘 創元推理文庫)

 

はい。すみません。気をつけます。

皆さんも思い当たる節があるのではないでしょうか。

 

人や物事は多面的で、立場や距離によって違った見え方がするものです。

当たり前のことですが、つい忘れてしまいがちです。

もしかしたら人間というのは、危険などから逃げられるよう、ネガティブなことによく気が付くようにできているのかもしれませんね。

 

悪いことは悪いですし、それを罰することや改善することは、もちろん正しいことです。

しかし、このブログの主題である「優しさ」を持とうとするならば、悪に対して、その事情を慮ること、別の面に目を向けること、接し方を考えることこそ大切なことだと思います。

 

つまり何が言いたいかというと、「良いところを探そう」と「自分がされて嫌なことはするな」ってことですね。

 

ちなみに、今回の記事でセリフを紹介させていただいた「屍人荘の殺人」は密室殺人のミステリーなのですが、その密室の作り方が斬新で驚きました。

実写映画化もされているので、ご存知の方も多いかと思いますが、原作の小説もとても面白いので、ぜひ読んでみてください。